宝物
市指定文化財
銅造 薬師如来懸仏1面
銅造 薬師如来懸仏イメージ 懸仏は、一般に円形銅板上に半肉であらわした仏像や光背・台座・天蓋・華瓶(けびょう)などの荘厳具を貼りつけ、上部の吊り環で堂内の壁面に懸け礼拝したもので、銅板製の他に鋳鉄製、木製などもある。懸仏という名称は、近代になって用いられるようになったもので、古くは御正体(みしょうたい)と呼ばれていた。

平安初期、神仏習合思想の影響をうけて鏡に神仏の姿や梵字種子を線彫する鏡像が現れるようになるが、これがさらに鏡面に仏像や荘厳具などを貼りつけ立体的に表現されたのが懸仏である。

鶴岡八幡宮に伝来する懸仏の尊像は薬師如来座像で、光背は雲文を切透かした舟形、台座は木胎に蓮弁文を切った板金が貼られている。その下には円筒形の木地に板金をまわして蓮弁を陰刻してあらわしているが、その下部には洲浜形をつくって台を張りだしている。この台にも板金を貼り、青海波文を刻し、3脚の台上には供物を盛る6器を置き、左右に華瓶が配されている。

鏡面輪郭部分には3鈷杵、花の装飾がみられ、上部の左右肩上には、一部欠失してはいるが鬼面の形を押出した獅噛環座が付けられている。全体に技巧性の顕著な作である。

鏡面の裏の木地には
  六月
 文安元年  
  □七日□□□□□
の墨書銘があり、文安元年(1444)の年紀が確認される。

鶴岡八幡宮に伝存する室町期の懸仏の遺品として貴重な文化財である。

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