宝物
国宝籬菊螺鈿蒔絵硯箱1合
社伝によると、源頼朝公が後白河法皇より下賜されたものを、鶴岡八幡宮に奉納したとされている。

沃懸地に螺鈿で籬に菊、そして小鳥をあらわした蓋表。これと同意匠を梨子地に金研出蒔絵という簡潔な技法で施した蓋裏と身。身の内には中央に、銀製鍍金の堤手、注口付きの角形水滴と硯を置き、その左右には銀覆輪(ぎんふくりん)付きの浅い懸子(かけご)が納められている。
また、箱すべての縁に銀製の覆輪をつけて置口としている。これらから判断して鎌倉時代前期蒔絵、螺鈿の代表的作品であり、また数少ない硯箱としても貴重な品である。昭和26年に国宝に指定されている。

このうちで蓋表の沃懸地に螺鈿で表した菊花は正面を向いたもの(正面観)、その花を側面から見たもの(側面観)、さらにその先に2個ずつの蕾をつけた形式の花に、茎と葉を加えた組み合わせの連続で意匠されている。次に蓋裏、身の内の菊花も同様であり、大小2つの懸子にも施されていて、全体に統一された意匠で構成されている。

なお、当宮には硯箱と同じ意匠、技法の手箱(俗に「政子の手箱」)が伝えられていたが、明治6年(1873)オーストリアのウィーンで開催された万国博覧会に出品された帰路、作品を積んだ船が伊豆沖で座礁沈没したため失われてしまった。
籬菊螺鈿蒔絵硯箱イメージ
籬菊螺鈿蒔絵硯箱イメージ

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